2012年03月10日

☆アフタートーク☆「地中」の歩き方−その1−

3月9日(金)、初日の終演後に行われたアフタートークの模様をお届けします。
※「地中」未見の方 ネタバレ注意 です。


ナビゲーター(以下、ナビ):本日は《神戸の視点》実践!演劇プロデューサーへの道 2011 プロデュース公演『地中』に御来場くださいましてまことにありがとうございます。
私、プロデュースチームのナビゲーターを務めております、水口美佳と申します。
本日は初日スペシャルイベントということで、ただ今よりトークショー「『地中』の歩き方」をお送りします。それでは、さっそくお呼びしましょう。
『地中』演出を勤めました、劇団鹿殺しの丸尾 丸一郎さん。そしてトークゲストはピースピットの末満健一さんです。どうぞ!

末満:よろしくお願いします
丸尾:よろしくお願いします
ナビ:おふたりは昨年のCube プレゼンツの舞台『有毒少年』で、末満さんが演出で丸尾さんが役者という立場でご一緒されてましたが、それ以来の再会なんですよね。
丸尾:それ以来ですね、去年の…11月…
末満:12月アタマまで…ご無沙汰してます(笑)
丸尾:ご無沙汰してます(笑)
末満:ま、それ以外のつながりはあまりないというか…(笑)
丸尾:あはははは
末満:「地中」には縁もゆかりもない感じなんですけど(笑)精一杯、色々聞いたりお話できたらなと思います。
丸尾:「有毒少年」の時も、僕そんなに飲みにも行けなかったので
末満:その時ちょうど鹿殺しさんの脚本の締切があるって…

(とここで、美津乃、行澤、中村登場)

美津乃行澤中村:ど〜も〜。
ナビ:改めてご紹介します。「地中」の役者、黒の兵隊蟻・美津乃あわさん、白の兵隊蟻・行澤孝さんです。そして、おばあちゃんを演じました中村真利亜さんです。…いやぁ、初日お疲れさまでした。
美津乃行澤中村:お疲れさまでした〜。
ナビ:本当は丸尾さんと末満さんおふたりだけに登場していただこうかと思っていたんですが、末満さんはこうみえてとても人見知りということで、末満さんに縁の深い3人に「末満健一応援団」として、来ていただきました。(3人に)末満さんの応援よろしくお願いします。
末満:丸尾さんも応援してあげてください(笑)
ナビ:早速ですが、、この公演「地中」は、劇団鹿殺しでは普段は役者を務められている丸尾さんの、外部初演出作品ということで。
丸尾:そうですね。劇団員だけでやるこじんまりとした公演は、何回か演出した事はあるんですけど、外部でこういった形では初めてです。
ナビ:末満さん、いかがでしたか?ごらんになって
末満:いや、やっぱり面白いなと思って。最初、前もっての情報とか全然わからずに観に来たんですけど。役者とかに会う度に「どう?」 って聞いたら、みんな口を揃えて「う〜ん、難しい」って言っていて
丸尾:(笑)
末満:あぁ、難しいお芝居なんだな、でも楽しみだな、って思って来て。でも、そういう難しいお芝居をどういう風に演出するんやろうって思って来て、なんか、すごい、戯曲を想像しながら観てたんですけど。ちょっと離れた所から演出してるな、って。
丸尾:そうですね。最初、角さんから頂いた…角さんいらしゃるからアレなんですけど(笑)。
「どうにでもしてください」っていうコメントで頂いて。でも、すごくどうにでもなりそうな感じに書いてあるんですよ、台本上は。場所も特定しないし、どことでも取れる…それぞれの心の中にリンクできるような感じで書いてあって。どこを出すか…。また、「くしゃくしゃ」とか音を役者が全部やるっていうのは角さんの台本上の設定なんですよ
末満:あ、そうなん?
丸尾:そうなんですよ。
末満:あ〜。あれは演出家のアイデアなのかな、と思ってた。
丸尾:いや、あれは、角さんから直接聞いた話では「今回やってみたかった事」っていう。
末満:じゃああれ、テキストで入る位置とか、どういう音を入れるかっていうのが決まってるんですか?
丸尾:もともと人が決まっていて、それは多少は変えたり。全員で揃えるとか、途中で入ってくるようにしてるとか。それはたくさんありますけど
行澤:ほぼ戯曲どおりですね
ナビ:逆に丸尾さんが付けられた演出っていうところでいうと、対面式の舞台であったり、方位を示す十字架に見立てた木を吊るす、であったり。実は台本上では、音は全くない、と書かれているんですけど、ガンガンに音楽が入ることになりましたね(笑)
丸尾:(笑)角さんから聞いた話によると「音楽は入るだろうなと思ってた」と。「音はない」と書いてあるけど「音楽はない」とは書いてないよって、言っておられました。
音楽を使うかどうかも、最初悩んだんですね。ほんとに。SEも役者の口で言ってるから、すべてナシでやるっていうのもアリかなぁってすごい考えたんですけど。プロデューサー講座っていう事で、プロデュースメンバーから色々話を聞いてると、鹿殺しっぽい、パワフルな感じの事であったり、その辺りも求められてるのかな、っていう気がして、音とか仕掛けをやっていこうと決めました。
ナビ:かなり思考錯誤されてましたね?色々と迷ってらしたみたいで…。
丸尾:ほんと、迷いましたね〜。特に、対面式舞台にするかどうかはギリギリまで悩んだし、この仕掛けにするかも悩んだし。色々と役者の方には…ね、アレだけど(笑)。
美津乃行澤中村:(笑)
丸尾:役者にも色々相談しながら…
ナビ:1週間くらい、ずっとオープンングの稽古を、ね。
中村:合計5転くらい変わりました
丸尾:「また立ち位置変わりましたね」って、役者からこう残念な感じで…。ああでもない、こうでもないってずっと…役者を動かしすぎかなぁ?とか、色々ずっと悩んで。
末満:他にどういうパターンがあるの?
丸尾:他は、KAVCの通常の舞台(プロセ)を使った方が、見せやすい絵も台本を読んでると「あ、プロセの方がいいんだろうな」っていう絵も想像できるし。KAVCでセットがあまり組めない中、距離も遠くなるなら、構造を変えた方がいいんじゃないかって悩んで。それは最終プロデュースメンバーと話して。こういう対面式でやってみようと決意しました。
ナビ:そうですね。鹿殺しの大阪公演の楽屋に伺った時に「思いついた!!対面式にしようと思う」って言っおられたのを覚えてます。
丸尾:その時にいた東京のスタッフとも話をして「どう思う?」って。それで。土のシーツと方位を表すものと十字架に見立てた木のオブジェ、この3点で行こうって。それ以外はシンプルに行こうってなりました。
ナビ:小劇場の世界っていうのは、作家が演出家を兼ねる事が多いじゃないですか。今回のように、作家と演出家がハッキリ分れているっていうタイプのお芝居では、戯曲を立体化する所に、その難しさや面白さがあると思うんですがいかがですか?
末満:丸尾さんも普段劇団で脚本書いているんですよね。僕の場合は脚本を書いて演出もするので、脚本書いている段階である程度、もちろん現場で変わる事もあるんですけど、ある程度想像しながら書くんで、脚本と演出のやりとりがスムーズというか。
まぁ、自分で書いて自分で演出をしておきながら、「こんなシーンどうしたらええねん?!」ってみたいなのもたまにあるんですけど(笑)。
お芝居に集中しようと思いながら観てたんですけども、「これ、どうしたら、どう演出したらこのシーンが効果的に見えるんだろう」っていうのはちょっと思いながら観ていて。やっぱりそれは面白いですよね。
戯曲から感じて、インスピレーション受けて、演出を考えないといけないっていうのは、すごい面白いなぁって思いました。
丸尾さんって、鹿殺しでは脚本だけ担当ですけど、その時点では演出は考えてるの?
丸尾:全部演出も考えて、ト書きに書きます。で、稽古の2時間くらい前にファミレスに行って、演出家と今日やるシーンの打合せをして、ケンカにならないように(笑)。で、稽古に臨みます。
末満:それで演出家とブレは出ないんですか?
丸尾:昔は出て、髪の毛つかみ合ってケンカした事もあるけど(笑)。最近はないですねぇ。最近はもうだいぶ演出家に任せるようになりましたね。昔は「ちょっとそういうつもりじゃないんだけど」って口を挟んでたけど、最近はないです。
末満:今日、「丸尾さんはこういう風に演出しはるんや」って観てて…僕が演出したら、どういう芝居になるんやろうなって。面白かったんで、演出してみたいな、って思ったりしたんですけど。自分が演出するんやったら全然違うものになると思うし。
ナビ:それ、すごい観たいですねぇ。
末満:角さんが演出したらどんな風になるんやろ?、って。
丸尾:ちなみにこの台本も、きっと相当演出が思い浮かんでる上で書いてるっぽいですよね。ト書きの書き方が。
だから、角さんが稽古場に来たら緊張しますよね(笑) 「合ってるんかな?」って。
末満:「地中」は自由度が高いね。脚本によっては、ある程度方向性が決まってしまう、戯曲とかもあったりするんですけど。本当にやればやる程、色んな形になりそうやな、ってその辺りが面白く思いました。
ナビ:具体的に、俺ならこうしたいな、っていう事ありますか?
末満:いや、もうそれこそ音を入れずに…役者が口で言う効果音、全部カットするな、とか。
ナビ:多分、台本の半分くらいの文字は効果音占めてますね(笑)
末満:モノクロ…ただ風がずっと吹いてるとか。すごい寂しい気持ちになって、なんなんやろ、この感覚は?って。
僕、「はじめ人間ギャートルズ」のエンディングの唄が好きなんです(笑)あれを聞いた時の感覚によく似てる。
丸尾:え?!どんな唄でしたっけ?
末満:♪なんにもない、なんにもない(と軽く歌う)
丸尾:あぁ…確かにわかる気がしますねぇ。

(−その2−へ続く)


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